サウナ用語 ロウリュ

サウナ用語 ロウリュ 

ロウリュとは、サウナストーンに水をかける行為や、かけた時に発生する蒸気を意味する。語源はフィンランドで、サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させ、室内の湿度を上げることで、体感温度を上げて発汗を促す。このロウリュサウナこそ、現在のサウナブームの火付け役といえる。 日本ではこれまでドライサウナが主流だった。ドライサウナは100度近い温度が一般的だが、ロウリュサウナの場合は80度前後。熱いのが苦手な人にも入りやすい環境が、サウナユーザーの幅を広げた。以前は珍しくなかったロウリュサウナも、現在では多くの施設で体験できるようになっている。

ロウリュの際にマイナスイオンが発生すると言われる。
Suomen Sauna Seura/Finnish Sauna Society
Osmo Joronen
マイナスイオンとは
空気中に含まれる僅かな電気を帯びた物質(原子、分子、又は分子集団)。空気をきれいにする効果があるといわれ、エアコンや空気洗浄機に使われている。

ロウリュをすると肌に熱さを感じるが、その熱さには2つのものが混じっている
1.サウナストーンの表面で発生した熱い蒸気が、肌につくことで感じる熱
2.その蒸気により肌に結露ができるときに発生する熱(凝縮熱)

凝縮熱とは
気体が液体に変わるときに発生する熱。サウナ室で発生した熱い蒸気が、熱くない身体に触れた時、液体に変わる(結露)。この時、凝縮熱という熱が発生して、人は熱いと感じる。サウナのロウリュで感じる熱は、この凝縮熱がかなり大きい。これはどこにでも発生している現象。夏、冷えたペットボトルや缶を取り出すと、すぐに水滴がつく。これも結露で、そのせいで凝縮熱が発生し、中身がすぐぬるくなる。

逆に液体が気体に変わるときは、気化熱で冷たくなる。サウナにシャワーのあと濡れたまま入ると、その水分が気体に変わる際、気化熱で熱を奪うので、体温が上がるのが遅くなる。
ちなみに固体が液体に変わるときは、溶解熱で冷たくなる。氷が溶ける時に飲み物が冷たくなるのはそのせい。

ロウリュには大きく分けて2種類ある。
1.セルフロウリュ
自分でロウリュ(サウナストーンに水をかける)タイプ。自分のペースで水蒸気を作り、体感温度を調整することができる。しかし他人がロウリュする際、自分には熱くなりすぎるというデメリットもある。
水にアロマを足すと香りもたち、嗅覚で楽しむことができる。ロウリュを行うと体感温度は上がり熱くなるが、実はサウナ室の温度は変わらないか、そんなに上がらない。
ロウリュのしすぎは、熱くなりすぎたり、ストーブの故障の原因になったりするので、サウナ施設によっては、ロウリュの時間制限をしているところもある。
セルフロウリュを行う際は他の利用者に断って行うのがエチケット。 
セルフローリュができるサウナストーブには、サウナストーンを置く底に鉄板があるタイプがある。そのタイプの場合、ビールをコップにそそぐように、石と石の間の一箇所だけに水を注ぐと、底の方で水が蒸発するのでやわらかい蒸気がゆっくり発生する。また底の鉄板に水が溜まり、そこからゆっくり蒸発するので、蒸気が長い間発生する。ただし、底に鉄板がない小さいサウナストーブだと、水がそのまま床に落ちてしまう。逆に、少しづつまんべんなくサウナストーンに水をかけると、かための蒸気が短時間だけ発生する。

 2.オートロウリュ 
サウナストーンに一定時間毎に水が噴射される、ロウリュシステムが設置されているタイプ。セルフロウリュよりも多くの施設に設置されていて、室内の湿度が常に保たれていることが特徴。施設側は制御盤で、何分間に何秒間水を噴射するか調整できるところが多い。昔はセルフローリュのサウナ施設が多かったが、酔った客が水をかけまくってストーブが故障する事態が多発し、かわりにオートロウリュが増えている。

ロウリュとアウフグースを混同する人がいるが、ロウリュは、水をかけて蒸気を発生させること、またはその蒸気をさす。アウフグースは、その蒸気をタオルなどであおいで客に送るサービス。