サウナの種類 ケロサウナ~サウナトレーラー

ケロサウナ
ケロという希少価値のある木材を使って作られたサウナ室。ケロとは、寒冷で日照時間が少ない北極圏で、23年で1センチと非常にゆっくり育ち、樹齢200年以上たった後に、立ち枯れ木になってからも100年余り立っていた欧州アカマツを指す。樹皮は剥がれ落ち表面は灰色になり、内面は赤みがかかり、ひび割れや節がある。腐食に強く、保温性と断熱性が高い。荒々しい自然な独特の雰囲気を持った木材。反時計回りにねじれており、引張(ひっぱり)強度と曲げ強度が強く、生の木材で作られたログハウスのように大きくねじれたり反ったりすることがない。


ロシア式バーニャ
ロシア式サウナ。バーニヤ、バニヤともいう。フィンランド式サウナとほぼ同じだが、現地のバーニャはフィンランドよりも高温で高湿度。ストーブにサウナストーンを置いて水をまい、蒸気を発生させ、暖まったあとは外気浴をする。ヴィヒタ(ロシア語でヴェーニク)という枝葉を束ねたもので全身を軽くたたき、マッサージをする。


ボナサウナ/ボナサームサウナ
ベンチの下に遠赤外線などのストーブを設置したサウナ。通常のサウナは熱い空気が上に行くので、高低で温度差ができやすい。サウナ室内の壁の素材、換気と吸気、ストーブの種類、ドア外の外気の温度などで異なるが、ボナサウナの場合、ベンチ下から暖められるので、高低の温度差が少ないことが多い。オートロウリュで湿度を上げているところもある。


スモークサウナ
フィンランドに昔からある、煙突のない部屋で薪を燃やして室内を暖めるサウナ。準備の間、煙が充満するので部屋全体がすすで黒くなり、いぶされた香りが部屋中からするのが特長。電気ストーブと違い、温度をまろやかに感じる独特な感覚がある。
入る準備をするために一日中かかることもある。
スモークサウナを用意する手順;
1.煙突のないサウナ小屋のストーブに薪をくべて、燃やし続ける。フィンランドでは薪を一年間かけて自然乾燥させたものを使うことが多い。ストーブの上にはサウナストーンを置く。
2.煙突がないため、煙が部屋中に充満する。人はこの時点では一切入れない。
3.何時間も薪を燃やし続け、最後の薪が燃焼しきったら、窓を開けて換気をする。
4.ベンチのすすをきれいにする。
5.ここでやっと人が入る
6.何時間もかけて暖めたサウナストーンや、壁や天井など部屋全体の蓄熱のみで体を暖める。
最初は100℃近いこともあるが、何時間もかけてゆっくりと部屋の温度が下がっていく


テントサウナ
テントの中でするサウナ。断熱性の高いテントの中で、ストーブで薪を燃やしサウナストーンを熱して、ローリュで蒸気を出す。テントの中で火を使うので換気が必須。冬場は足元が冷えやすい。テントの中だからストーブと近いため、ストーブに向いているところだけが特に熱くなるので、体の向きをかえるなどして分散させると全身が暖まりやすい。風が強い日はテントが風で飛ぶ事故が起こるので、そうした日は止めるか、テントを地面にしっかり固定する必要がある。川辺でテントサウナすると、そのまま川を水風呂かわりにして飛び込むことができる。
アースサウナ/ピットサウナ
地中に半分ほど埋まる形のサウナ。昔のフィンランドなどでは、土手に洞穴を掘ってそこにサウナを作っていたがその名残。壁が土でおおわれているので保温がしやすい。


アイスサウナ
サウナのあと、水風呂かわりに体を冷やす、氷や雪で作った場所。水風呂が設置されていることもある。サウナと称されるが、実際にはサウナではなく、サウナ後に身体を冷ます場所のこと。クールダウンルーム、ペンギンルームとも呼ばれる。


バレルサウナ
丸い樽(バレル)の形状をしたサウナルーム。庭などに設置され、4名定員のこじんまりとしたサイズがほとんど。丸い形なので、部屋の角に暖気がたまらず、全体に均等に温度を伝えやすい。
ロッキーサウナ
フィンランド式サウナの1種で、サウナストーンが山積みされたタイプ。ロッキー山脈が由来。石の種類の選択、積み上げ方、見た目など施設側のセンスが問われる。
ikiサウナ
フィンランド式サウナの1種で、大量のサウナストーンが縦長のゲージに入った、METOS社製の電気式サウナストーブ「iki」を使ったサウナ。
薪サウナ
薪を燃やした熱で、サウナ室内を暖める。メリットは、薪の燃えるにおい、ぱちぱちとした音、美しい音などがある。電気ストーブを使わないテントサウナやスモークサウナがこれにあたる。
イズネス
フィンランド式サウナの1種で、遠赤外線ストーブの前にストーンサウナの壁がある。オートロウリュの際には大量の蒸気が吹き出す。METOS社製。


薬草サウナ
薬草を蒸してその蒸気をサウナ室に充満させるサウナ。室内に薬草の香りと蒸気を充満する。紅豆杉(こうとうすぎ)、甘草(かんぞう)、防已(ぼうい)、香附子(こうぶし)、紅花(こうか)、陳皮(ちんぴ)、松藤(まつふじ)、当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、艾葉(がいよう)、薄荷(ハッカ)、桂皮(けいひ)などほかにもたくさんの薬草の種類がある。疲労回復、ストレス解消、血液の循環強化、発汗作用、婦人科系の改善、皮膚病の改善など、期待できると言われる。
黄土サウナ
黄色みのつよい土「黄土」を壁に塗り込んだサウナ。黄土の特徴は、熱がこもる、防火機能、微生物を多く含むため殺菌作用があるとされること、人の汗の臭いを空気と一緒に吸収してくれること、温めると遠赤外線を放射すること。

タワーサウナ
ベンチが3段以上あり、階段のようになっているサウナ。 ベンチの高さがそれぞれ異なるので、高いベンチと低いベンチで温度差が生じ、色々な温度を楽しめる。収容人数が多い。


サウナトレーラー
自動車で牽引する移動式サウナトレーラー。テントサウナのように、中に薪式のサウナヒーターがある。