サウナの種類 ウェットサウナ~ドライサウナ

サウナの種類 ウェットサウナ~ドライサウナ

湿式サウナ/ウェットサウナ
水蒸気で部屋を熱くするサウナ。湿度は80~100%と高いが、温度は40~60度と低いので、長く入ることができる。低温高湿なので肌など体全体への負担が乾式サウナよりも少なく、体の深部まで温まるまでドライサウナよりも時間がかからない。

蒸気や霧が肌につくため、大量の汗をかいているつもりでも、湿度の高い空気中から結露してついた水分なのか、汗なのか、区別がつきにくい。サウナでの汗の3~5割は、実は汗ではなく、結露した空気中の水分という報告がある。
論文名:サウナ、汗、科学 - 安定した水の同位体 ((2)H/(1)H および (18)O/(16)O) トレーサー実験を使用して、結露水と汗の割合を定量
Sauna, sweat and science - quantifying the proportion of condensation water versus sweat using a stable water isotope ((2)H/(1)H and (18)O/(16)O) tracer experiment
Michael Zech , Stefanie Bösel, Mario Tuthorn, Marianne Benesch, Maren Dubbert, Matthias Cuntz, Bruno Glaser

たくさん汗をかいているが、それが汗か肌についた蒸気かわからない場合、指ですくってなめてみて、汗の味でおおよその判断がつく。汗だけだと相当しょっぱいが、結露の水分が半分近く混ざっているとそれほど塩辛くない。

温められた霧が上から降ってくるミストサウナと、スチーム噴射口から蒸気が噴き出るスチームサウナがある。ストーブで部屋を熱くするが、ロウリュにより蒸気が発生するフィンランド式サウナも湿式/ウェットサウナに含まれることもある。


乾式サウナ/ドライサウナ
蒸気のない、乾燥したサウナ。温度は70~100度、湿度は20%以下のところが多い。日本で一番多いタイプのサウナ。高温サウナと呼ばれることもある。高温低湿のため皮膚や目や髪の毛が乾燥することがある。乾燥で喉が痛くなる人もいる。そのため高温カラカラサウナと称される。

汗をかきにくいことがあるが、肌の表面が汗だくになっていなくても、高温で低湿度のために発汗と同時に蒸発してしまっている場合があり、実際にはけっこう発汗していることが多い。その場合には、汗をかいている実感がなくとも水分補給をしないと脱水症状のリスクがある。
外国にはあまりなく日本独特のサウナタイプなので、日式サウナ、日本サウナと呼ばれることもある。昔のサウナの多くはこのタイプ。

湿度が低いために熱伝導率が低いので、湿式/ウェットサウナやフィンランド式サウナよりも体の深部まで温まるまでより時間がかかる。
・ドライサウナはウェットサウナより深部体温が上昇するのが遅い
論文名:乾式サウナとスチームサウナで熱ストレスを受けた健康な男性の生理反応と生理的負担の比較
Comparison of physiological reactions and physiological strain in healthy men under heat stress in dry and steam heat saunas
W Pilch, Z Szygula, T Palka , P Pilch , T Cison , S Wiecha , L Tota
遠赤外線サウナ
遠赤外線ランプから電磁波を放射して体を温めるタイプのサウナ。乾式(かんしき)サウナに含まれる。同じ乾式サウナに含まれるドライサウナよりも低温なのでコンフォートサウナと呼ばれることもある。
部屋を熱くするのではなく、遠赤外線ランプで身体を直接温める。遠赤外線は電磁波の一種で、物質に吸収されて熱に変わる特性があり、家庭用ストーブとしてもよく使われている。
他のサウナのように部屋の空気を暖めるのではなく、エネルギーのほとんど(8割)が体温を直接暖めるのに使われているので、部屋の温度が低くても汗をかくことができる。

仕組みとしては電子レンジと同じ。電子レンジは水の分子を振動させ摩擦で暖め、遠赤外線は脂肪やタンパク質などの分子を直接振動させ温める。
深部体温は上がりにくいので、ととのうためにはフィンランド式サウナよりも長く入る必要がある。

大きな箱型のものに体を入れて顔だけ出ている家庭用サウナはスチーム式か、この遠赤外線サウナ。遠赤外線式の場合、スチーム式ほど熱くならないことが多いが、中は赤外線パネルだけなのでメンテナンスが楽。