サウナがドーパミンとオキシトシンを分泌させる研究


やる気の源といわれる脳内物質。快楽物質とも呼ばれる。セロトニンがポジティブで前向きな気持ちにさせてくれるのに対し、ドーパミンは成功した時や報酬を受け取った時に感じる快楽をもたらしてくれる。ドーパミンが放出されて快感を得ると、脳がそれを学習して、再びその行為をしたくなるという特性が人間にはある。仕事や勉強をすることで、目標達成したり褒められたりする場合のドーパミンは人生にポジティブに働くが、ゲームやパチンコやギャンブルの成功体験でも分泌され、それがゲーム依存症やパチンコ依存症ギャンブル依存症を生み出すので、そうしたときは人生にとってネガティブとなる。精神的な依存症を生むドーパミンは、人生を成功にも失敗にも導くのが特長。
ドーパミンはアルコールを飲んでいるときにも分泌される。アルコールは大麻や幻覚剤よりも依存性がずっと高い物質であり、それに加えドーパミンにも依存性があるので、アルコール中毒者が発生しやすい仕組となっている。
アルコールにはセロトニンの分泌を促す作用もある。体を緊張させたり、心拍や血圧を上げるといったはたらきをする副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンやノルアドレナリンなどの分泌を抑制する作用もある。適度な飲み方をしていれば、ドーパミンセロトニンの作用で楽しい気分を盛り上げ、副腎皮質ホルモンやノルアドレナリンの抑制作用で、ストレスにさらされて緊張した心身を解きほぐしてくれる。これはサウナと似た効用なので、北欧ではサウナ中にアルコールを飲んで更に気持ち良く更にリラックスする人が多い。


・サウナ室と水風呂での急激な深部体温の変化により脳内ドーパミンが多く分泌される。休憩時、多量のドーパミン分泌と副交感神経が優位な状況となり脳内は極限的なリラックス状態となる


ジャーナル名:極限環境下の高精度生理解析モデルの開発
The Japanese Journal of Sauna
八戸高専古川研究室


サウナと水風呂でドーパミンが分泌される。

 

 

 

 

オキシトシン
愛情ホルモンといわれる。家族、友人、恋人などと一緒にいて楽しい、人とつながっていてうれしい、好きな人や動物を触ったり触られたりすると気持ちいといった、快感をもたらす。もともとは女性の出産期に子宮の収縮を促したり乳腺を刺激して母乳の分泌を促す働きから、女性特有のものだと考えられていた。しかし近年、老若男女に関わりなく、ストレス状態を軽減させ、不安や心配などを緩和させてくれる働きがあることが分かってきた。オキシトシンが十分に分泌されているとセロトニンの分泌も増える。
オキシトシンはその匂いをかいただけで脳に影響を与えるので、人間を使った様々な実験が行われている。

サウナがオキシトシンを分泌させる研究一覧

・サウナのような高温化にて高いレベルのオキシトシンが分泌される(マウス)
論文名:マウスの高体温中の視床(ししょう)下部におけるTRPM2とCD38の活性化を介したオキシトシン放出
Oxytocin release via activation of TRPM2 and CD38 in the hypothalamus during hyperthermia in mice: Implication for autism spectrum disorder
Haruhiro Higashida , Teruko Yuhi , Shirin Akther , Sarwat Amina , Jing Zhong , Mingkun Liang , Tomoko Nishimura , Hong-Xiang Liu , Olga Lopatina 
・サウナでオキシトシンが分泌
論文名:サウナのメリットとリスク
Benefits and risks of sauna bathing
M L Hannuksela , S Ellahham

サウナでオキシトシンが分泌される。